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時は中世ヨーロッパ。ルネサンス運動や宗教改革により、思想や文化等が大きく変わり、オスマントルコ帝国やイギリス等ヨーロッパ各国がしのぎを削っていた1575年頃…。


ブルガリアの美しい森に囲まれた村に、アンジュは両親と弟とひっそりと暮らしていました。

父は、金髪にひげをたくわえ、痩せていて背が高く、森の木を伐採して生計をたてていました。厳しそうに見えますが優しい父でした。


母は、黒髪の美しい人で、民族衣装のような服を縫っています。弟は45歳。まだ小さくて、とても可愛い弟でした。家族みんなが互いの幸せを祈っているような、そんな温かい家族でした。18歳のアンジュにとって、大好きな家族と過ごせることがとても幸せだったのです。


しかし、アンジュには、誰にも言えない秘密がありました。

鮮明に思い出される記憶は、4歳の頃。妖精たちと野原をかけ回り、その妖精たちがそばにいることで、動物やお星さま、周りに存在する全てのものたちとお話しすることができました。とても楽しく、幸せな時間でした。


やがて、それは、特別なことであることに気づき始めました。

その秘密を知っているのは、幼い弟。その弟が、一生懸命秘密を守ろうとしてくれていました。

また、両親も薄々その能力に気付いており、アンジュの将来を案じていたのです。

ある日、村で集会がありました。ある人を村から追い出す話し合いをするための集会でした。行きたくないと思っても、行かなければなりません。

アンジュは、いつ、自分の秘密がばれ、殺されてしまうのかと恐れていました。

そして、とうとうその日はやってきてしまいました。


27
歳の頃です。町の方からたくさんの人がみえました。兵隊たちに何人かの人が追われていて、その中
にアンジュもいました。人よりも見えない世界をみる能力が発達していたために、異教徒として裁かれようとしていたのです。家族に別れも言えず、悲しみを噛みしめながら、一人で村の外れに向かって必死で逃げました。「みんなと違う力を持っているからといって、同じ人間なのになぜこんな目にあわなければいけないの?」そんな想いでアンジュの心はいっぱいでした。

やっとの思いで森の中に逃げ込み、しばらくそこで暮らしましたが、廃墟のようなお城の岩にもたれて亡くなりました。


亡くなって、魂の帰る場所に戻った時、「おかえりなさい」という温かい声が聞こえました。大天使ミカエルでした。それを聞いてアンジュは安心し、「やっと戻ってこれたんだ」と感じました。

その後、宇宙から地球をみながら、ミカエルとアンジュは話をしていました。

「地球や人間たちを見守っていてください。見守ってあげるだけで人間たちがわかるときがくるから。」

そして何度も「愛」という言葉が聞こえました。

「人類には大変なことがたくさん起きるかもしれない。
でも必ず変わっていける。人間は必ず変わる。
それを信じて、見守ってあげる。
見守ってあげるだけで、必ず人間たちは気がつくときが来るから」

そんな言葉が聞こえてきました。

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アンジュが私達に伝えたかったメッセージ、それは変化を恐れず、愛を信じること。