460f4c50.jpg












The Clash - London Calling 


私は10代~20代の頃、イギリスのパンクバンド「CLASH クラッシュ」 が大好きだった。
音楽ももちろんだが、とにかく、リードボーカルの【ジョー・ストラマー】の人間性に心底惚れていた。

給料を全部使って、借金して、会社を無理矢理休んで、初来日のステージを観に行った。
日本ではクラッシュは人気があったのだ。
確か、武道館でもライヴした。



解散の噂があった頃にロンドンに行くことになったので、命がけ?の生パンクライヴも体験してきた。
ライヴ会場は、恐ろしく危ない場所だった。
少しでも本場のパンクを体験しようと、ステージ近くへ行こうとフロアーに降りて行ってみた。
やばい!
パンクなんてそんな生やさしいものじゃなかった。
一時のあのクレイジーなパワーはないにしても、若い女の子がヘラヘラいられる場所ではなかった。
身の危険を感じて即、2階へ退散したものだ。

ロンドンにはとても危険な場所が多かった。
暴動が絶えない代表格みたいなスラム地域でライブをしていた。
クラッシュはそこの地域名を曲のタイトルにしていた。


今考えるとよくあれだけ荒れていたロンドンを歩き回っていたと感心する。
サッチャー政権の経済が一番どん底のロンドンに行く日本人の能天気ぶりに、
今なら苦笑いものだ。
日本はバブルだったからだ。


アルバイトで稼いだお金でロンドン現地で購入したクラッシュのライヴチケットとお金が、
スリに財布ごと盗まれた。
めげずにまたチケット買って観に行った。
スリには二回もあった。
どんなに気をつけても奴らの方が一枚上手だ。
当時は、
能天気な日本人はカモだっただろう。

事件に巻き込まれないのが不思議なくらいロンドンは荒れていた。

パンクは最初の勢いは失われていたけど、それでも、パワーは残っていた。
ジョーは、パンクからレゲーやスカミュージックにどんどん音楽を変化させていた。

ジョーは私の人間性の骨格に影響を与えた人だ。

「自分に嘘をつきたくない、やりたいことは貫く、体制をぶっ壊す。」

そして何より彼は人間臭い。
弱いところも隠さない人間だった。
優しいし。
ファン思いである。

ミュージシャンとして尊敬できる。
理想的なミュージシャンだ。

日本に来日したとき、かなりのファンが興奮して男女共にクラッシュを追っかけていた。
どこへ行ってもファンだらけだ。

だけどクラッシュのメンバーのジョーやポールはファンに優しい対応をしてくれていた。
10代のキッズだから大事にしてくれたのかもしれない。

私も随分ジョーとは一緒に写真を撮ったりした。
ある時、彼が好きだった俳優ジェームス・ディーンが写っているバッグの写真を見せると
凄く喜んでバッグを持って一緒に写真をとったりするお茶目なところもあった。

サインも写真も嫌な顔をせずに一人一人に接してくれていた。
あれだけの人はいない。
ジョーストラマーのようなミュージシャンは後にも先にも彼しかいない。


あれから、数十年が経ち、ジョーが突然亡くなったあとに追悼写真集が発売された。
本の中をみると、ジョーと一緒にファンが記念撮影した写真が載っており、それをみた瞬間
私は心から泣いた。

確かあのとき、新宿・京王プラザホテルの地下で、カメラマンがジョーに群がるファン全員と
写真撮ろうと提案してくれたんだ。
私はジョーの隣で写真に収まっていた。

まるで私の人生を記念するような写真である。


最高の優しさをもつジョーストラマー。

彼こそファンに愛された真のミュージシャンはいない。

あれから一度もロンドンに行っていないのでお墓参りしていないけど、心の底からジョーには感謝、お礼を伝えたい。

そして、私も自分に正直に生きたいのでなるべくこれからは出来るだけ本心を書いていこうと思う。
そして、行動も正直な心のままに動きたいと言い聞かせている。

ジョーのことを思うと、魂が愛で満たされる感じがする。

きっと私の心を拾ってくれているんだよ。

ありがとジョー。

この記事もジョーがありのままに生きていこうとメッセージをくれたのかもしれない。

yuri